
- 「田中康夫知事に改革のあり方を聞く!」
- 今回は、田中康夫・長野県知事が取り組む数々の県政改革のうちの一つ、入札制度改革についての視察にうかがいました。現地では、実際に制度改革を担当されている県庁職員と、入札に参加する側の長野県建設業協会の両サイドの方々のお話をうかがうことができました。また、長野県議会議員との懇談の時間もいただき、意見交換もしました。
- 長野県で取り組んでいる入札制度改革とは、談合や内部情報の漏洩によってそれまで予定価格の100%に近い水準での落札が続いてきた入札を、より公正で納税者の納得できるものに変えよう、というものです。いかに談合しにくい制度を作り、予定価格などの情報漏洩を防ぐか、という点に改革の焦点を置いています。
- 具体的には、まず情報漏洩に対しては、業者の県庁での営業活動を禁止するなどして、県職員との接点の排除を徹底しています。入札制度に関しては、県が入札に参加できる業者を指名する制度をやめ、入札の対象業者の地域を拡げるなどして参加母数を増やすことで、談合しにくくしました。また、予定価格についても事前公表することで、落札価格を抑えようとしましたが、この方法では精緻な見積りをせずに、安くてもいいから落札して少しでも現金を得ようとする業者が絶えないため、失敗したようです。現在は予定価格を事後公表とすることで、こういった業者が現れることを防ぎ、より公正な競争となったようです。
- 一方で、建設業界はこの制度改革には反対しています。談合防止や納税者に理解される制度へ改革するという基本理念には賛成していますが、現状では落札価格が低すぎて、利益が維持できないばかりか赤字操業が続いているからです。利益が出ないため、企業の倒産や入札からの撤退も始まっているようです。これに対し、協会は、横須賀市が導入しているような最低落札価格(この価格より低い札は無条件に失格とする。業者にある程度の収入が保証される。横須賀市では85%に設定。)の設定を求めています。
- これまでの入札制度は、入札そのものだけでなく、入札ではない所での業者と行政が相互依存も共存していたことで成り立っていました。例えば、業者は儲からない小さな仕事も引き受けることで評価を上げ、その後の入札で有利になろうとします。行政もこれを利用して小さな仕事を個別に頼むことで、雑務を手早く処理していました。これは一つの効率的な依存関係ですが、あまりに癒着が進んだことで情報漏洩+談合により落札価格の高騰という悪循環を生みました。
- しかし、今回の一連の入札制度改革による落札価格の低下で、業者は落札しても利益が出なくなりました。これは一見良いことのようですが、落札しても利益が出ないため業者はもう小さな仕事を引き受ける理由がなくなり、上で述べたような依存関係は保てなくなりました。これにより行政には、小さな仕事の引き受け手がいないという弊害が起こっています。
- このように、長野県での入札制度改革は最先端を行くものの、依然試行錯誤が続いています。癒着や談合を阻止し、公正な競争を実現するなどの点で成果を出していますが、過当な競争原理の導入が、建設業界の疲弊ももたらしており、これからの対策に期待が寄せられます。
- 【参加メンバー】
- 町田市議会議員 新井克尚
- 中野区議会議員 奥田憲二
- 西東京市議会議員 山崎英昭
- 国分寺市議会議員 三葛敦志
- 世田谷区議会議員 関口太一
- 東久留米市議会議員 富田竜馬
- 渋谷区議会議員 鈴木建邦
- 葛飾区議会議員 鈴木烈馬
- 調布市議会議員 井上耕志
- 板橋市議会議員 佐藤利信
- 江東区議会議員 川北直人
- ※上記メンバーは2003年の統一地方選挙で当選した民主党「若手」市・区議会議員で結成した『TOKYO15』のメンバーです。
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